天-天和通りの快男児 1巻の感想と考察のまとめ【ネタバレあり】

今回は「アカギ」のルーツにもなった麻雀漫画「天-天和通りの快男児」第1巻の名言と考察のまとめです。ネタバレあるのでご注意ください。

天とひろゆきの出会い

※表紙の左が天、右がひろゆき

物語は「天-天和通りの快男児」の主人公「天」と主人公のパートナー的存在になるメイン登場人物の「ひろゆき」の出会いから始まります。

ひろゆきが大学受験生ながら理にかなったスキのない麻雀を打ち雀荘の素人を相手に荒稼ぎしていたところ、カモられた街の人たちからのヘルプコールを受けた天が登場し、ひろゆきと対戦することになる。

一見して天を裏麻雀のプロであると見抜き、警戒するひろゆき。

一方の天は初心者同然のフリテンやミエミエの捨て牌への振込み。とても強いとは思えないド下手くそな打ちまわしでひろゆきを困惑させます(笑)

そしてオーラス・・・さすがに逆転は役満クラスをあがるしかない状況でひろゆきは当然イカサマを警戒。ツバメ返しなどのスリカエ技を徹底的に警戒します。

ところが、天の使った技は・・・

「電気を消して、暗いあいだにスリカエ」というクソみたいなイカサマ(笑)

このイカサマで天和九蓮宝灯をあがり、逆転勝利します。

天は人のいいイカサマ野郎

「天-天和通りの快男児」1巻では主人公・天の立ち位置は「人のいいイカサマおバカ野郎」です。

人のよさはクリスマスツリーを誰にも見えない雪の中でずっと支える姿からも間違いないですし、「天和であがった晩は人に無条件で殴らせる」といった発想なども、悪いことをしたという罪悪感があり、裏麻雀のプロとは到底思えない人柄をしています。

驚くべきは彼に悪意がないー!

ともかく彼は感動的に分かちあってしまうのだ

全てをー

人のも自分のも

引用:天-天鳳通りの快男児 1巻

ただし、天の場合は人の良さを通り超えて、「すべてを感動的に分かちあってしまう」らしい。なんてすばらしい言葉。

結果、ひろゆきの私物を勝手に人に全部あげてしまったり、ひろゆきから預かった金をどんちゃん騒ぎで花火を打ち上げて全部使い切ってしまったりとやってることは最悪(笑)

なんていうか、、、IQがすごく低そう

そして肝心の麻雀の腕ですが、ひろゆき戦での弱さは油断させるためとも考えられますが、クリスマス会の話では街の親父さんに有り金全部ふんだくられるなど、どう考えても弱い。

なにより行動に知性が感じられない

作風としてもギャグありずっこけありのほのぼの日常マンガに麻雀というシリアス要素を足した感じになっていて、この地点では天の麻雀の腕は本当に大したことがなく、天和九蓮宝灯というあからさまなイカサマでのみ勝負を決める天の信念というか、人間性・考え方に焦点を当てた作品に仕上がる予定だったんじゃないかと思います。


食堂の登記書をかけた戦い

1巻中盤からはやくざの沢田が登場し、ひろゆきは沢田の組の代打ちとして、食堂の登記書をかけた戦いで、再度天と敵同士になり対戦することになります。

この戦いでは半荘5回勝負で先に3回勝利した方が勝ちというルールが採用され、イカサマの天和九蓮宝灯だけでは勝利できない展開に。

ここでも天の

「ひろゆきってのは本当に強いよ。俺一人じゃどうもならん」

「小技やテクニックじゃ逆か立ちしたってあいつの神経に勝てねぇ・・・」

と言ったセリフや

「雀力で上まわるひろゆきは」

という描写などから、あくまで麻雀の強さは天よりもひろゆきの方が格上であることがうかがえます。

それでも捨て身の策で半荘二回勝利をとった天のチームは、最終戦でひろゆきに警戒されながらもあの必殺技を使います。

今回は電気の配線をたたき切って持ってきた牌とスリカエ

イカサマのテクニックもクソもないですが、このスリカエで天和九蓮宝灯を決め天が勝利します。

この戦いでは、描写、発言はひろゆきが格上であることを表現しているものの、いくら必死とはいえド素人のペアと組みながら捨て身のブラフ作戦を立て、素人をコントロールしながらひろゆきを動揺させ翻弄する天の実力は実はかなりのものなんじゃないか・・・と初めて考えさせられるものでした。

この戦いで登記書の権利は取り戻すことができますが、沢田はすぐイカサマに気づき、ケジメとして刀で天を斬ります。

ここで1巻は終わり、2巻へ突入

2巻からはやっとあの麻雀マンガ界の名言製造機「赤木しげる」も登場しさらに熱い展開になっていきます。