【赤木しげる登場】天-天和通りの快男児 2巻の名言と考察のまとめ【ネタバレあり】
今回は「アカギ」のルーツにもなった麻雀漫画「天-天和通りの快男児」第2巻の名言と考察のまとめです。ネタバレあるのでご注意ください。
天を斬った沢田という男
イカサマに対するケジメとして天を斬った沢田は、血まみれのスーツでひろゆきのもとに戻り、「天を斬った」とひろゆきに伝えます。
ひろゆきは憤り、沢田を誤解していた、やっぱりヤクザはヤクザだ。と言いますが、重症の天がそれに反論します。
ひろ・・・・・・
それはちょっと違うな・・・・・・
あの人は優しい人だ・・・
ひろが代打ちの世界に入って・・・いいことなんかありゃしねぇんだが・・・・・・
ほとんど唯一の幸運は・・・あの沢田という男と出会えたことだ・・・
それ程・・・・・・
ほとんど奇跡のように優しい人だよ・・・
あの人は・・・
沢田は気がついていたんだからな・・・あのサマの仕掛を
譲ってくれたんだ勝ちを・・・・・・
それは沢田の立場からすれば信じられないことだ・・・大変な失策につながる
・・・泥をかぶってくれたんだ・・・・・・俺や中西の為・・・
・・・・・・それにこのおとしまえもな・・・
若いものよこせばすむところなのにわざわざ自分で来て
自ら・・・手を下したかったんだな・・・・・・
若いのにまかせると・・・程度を知らねぇから万が一を考えて・・・・・・
この刃キズは派手だが浅い
皮一枚だ・・・助かったよ・・・・・・
しかし・・・それは沢田にすれば非常に危険なことだ
目撃者でも出た日にゃサツにあげられちまうんだからな
そういうもろもろを含めて全てを沢田がかぶってくれたんだ
あの人が一番割をくった
引用:天-天和通りの快男児 2巻
この発言には『天と沢田の優しさと頭の良さ』が詰まっていますね。
まずこの発言からわかるように、沢田は天に勝ちを譲り、リスクを負って天を斬り、結果天を守りました。
普通のヤクザなら斬られるだけではすまずイカサマを理由に難癖付けられ登記書も奪われていたでしょう。
逆にもしそのまま天を逃がしていれば、天は組全体から狙われ、命を落としていたでしょう。
そういう天にとって困るところを全て回避しつつ事を収めようというところにヤクザらしからぬ沢田の優しさが出ていますね。
そして同様に、斬られた当事者でありながらそれを察し、「奇跡のように優しい人」と言い切る天も、同じ優しさを持った人間であることがうかがえます。
天の優しさは1巻からずっとですけどね。
そしてそのシナリオを描くことができる沢田と、それに気づく天の二人は、もちろん裏社会での経験が豊富なこともあるでしょうか、相当に頭の切れる人間であることがわかります。
1巻序盤のポンコツだった天はどこへ・・・(笑)
天の生き方
天から沢田のことを「優しい人」と聞かされたひろゆきが考えます。
天はどうして天和九蓮宝灯なんかで勝負を決めにいくのか?
本当のプロならあんなハデな打ち方は絶対にしないー
もっと静かに確実に勝ちに行くー
もちろん天にはそれができた
そうして買っていた時期もあったはず
しかしいつしかそんな勝ち方を天は捨てたんだ
明らかにサマだとわかる技で勝ってそのあとの制裁を受ける
相手をキズつける分自分もキズつきたかった・・・
相打ちになりたかったんだ
それは沢田さんも一緒・・・・・・わざわざ自分の手を汚し天を斬りにいく・・・・・・天の為に・・・・・・
二人ともなんて損な役まわりなんだ・・・
自分をキズつけることでしか人に優しくできない・・・・・・
天も・・・沢田さんも・・・・・・
引用:天-天和通りの快男児 2巻
ここでやっとひろゆきは天の心の奥にあるものに近づき、天に対する信頼感が増します。
沢田vs地上げ屋
前回の戦いで沢田の雇い主だった地上げ屋と、前回の仕事の失敗などをきっかけに、今度は沢田自身が戦うことになります。
まず沢田本人が地上げ屋の代打ちとして登場した七対子じいさんと対決しますが、相手はプロなので沢田はボコボコに・・・
変わって沢田の代打ちとしてひろゆきが参戦します。
ですがこの七対子じいさんが強い・・・!
ひろゆきも持ち前の頭脳を駆使してトリックを仕掛け戦いますが見抜かれて相手にならず。
ひろゆきに「この男・・・化け物ですよ・・・・・・」とまで言わしめる七対子じいさん。
それもそのはず、この七対子じいさん(名前は室田でした)、実は赤木しげるが口利きした、レベルの高い関西で1・2を争う雀ゴロとのこと。
それでも、ひろゆきと室田の戦いを少し見ていた天が、ひろゆきと代打ちを交代すると、あっさりと室田の七対子麻雀を看破し、沢田とひろゆきの作った前半戦の負け分をほぼ取り返してしまいます。
天が強すぎる
このあたりでは完全に麻雀の腕前はひろゆきよりも天の方が上になっています。
ただ、ひろゆきのポテンシャルについては室田も認めており、あとは裏麻雀の経験値の差が大きいとも言えます。
いずれにせよ1巻のポンコツな天はもういないです・・・寂しいですが。
沢田に斬られたあと、救急車で運ばれている時のセリフなどから考えると、裏麻雀で人を欺き勝つことで生きていく代わりに、それ以外の麻雀では勝たない・・・というルールを自らに課していたのかもしれませんね。
ついに赤木しげる登場
室田が完全に潰れたことによって、ついに大人気麻雀マンガ、アニメにもなったあの「アカギ」主人公の赤木しげるが登場します。
「天-天和通りの快男児」に登場する赤木はおじさんで、「既に裏麻雀界を3年前に引退済みだが、それまでは無敵の男」として登場します。
「アカギ」に初登場したのが13歳、ワシズ麻雀をしているのが大体20歳前後ですが、「天」に初登場するのは死の11年前になるはずなので、42歳ってことになりますね。
つまりワシズ戦から20年ほど後の話になります。まぁ、元々白髪ってこともあり「天」ではもっと老けて見えますが・・・(笑)
ちなみに作品としては「アカギ」よりもこの「天-天和通りの快男児」の方が古いので、こっちの赤木しげるがオリジナルということになります。
赤木は卓につくやいなやえもしれぬ才気の片鱗を見せ、チャンタをベースにした戦い方で場を支配します。
「アカギ」時代にくらべ良くしゃべる
「アカギ」時代はまだ若かったこともあってか、口を開けば狂気じみたセリフしか飛び出さなかったといっても過言ではない赤木ですが、「天」では年を取ったこともあってかよくしゃべります。
しかも、捨て牌を暗号にし、チャンタかそうでないかを相手に知らせるといった遊び心も見せてきます。
このあたりは、現役を退いているという気楽さもあるように思えますが、「自分の麻雀は百戦して百勝する麻雀だ・・・」と言っているあたり、決して勝利に対する気持ちが薄れているわけではなく、本気で麻雀と向き合っていることがうかがえます。
「アカギ」時代には見れなかった言い回しやこういった遊び心にいい感じのおっさん感が出てて、私は「天」時代の赤木しげるがめちゃくちゃ好きです!
赤木しげるの名言
それでは「天-天和通りの快男児」第2巻での赤木しげるの名言を紹介しましょう。
そうかい・・・
俺はそうでもなかったんだ・・・・・・
あんたら三人が捨てたパイが全部で9ハイ自分のツモが俺は2回ー
その合計ー俺は11回ツモった気分だったよ
引用:天-天和通りの快男児 2巻
赤木がたった4巡でチャンタ上がりし、上がられたモブキャラが「こりゃしょうがない・・・・・・たった4巡でそんな形にされちゃあ」といったときに、赤木が返した言葉です。
私はこの言葉を見て、「その通りだ・・・・!」と全身に電流が流れるような衝撃を受けました。確実に何かを掴んだ。そんな瞬間でした。
早速麻雀をやりました。
気のせいでした。
とても11回ツモった気分にはなれませんでした。
まぁ、あれですね。天も「そんなふうにパイの流れに乗れるのはあんた位のもんなんですよ」と言っていますし・・・
早い段階で流れを把握し鳴くのは難しすぎます。流れを把握せずに鳴くとそこで試合終了です(笑)
アカギvs天の対戦はこのまま3巻へ続いていきます・・・